【翻訳家の暮らし】『白鶴亮翅(はっかくりょうし)』に思うことー漢字の不思議〈前編〉

【翻訳家の暮らし】『白鶴亮翅(はっかくりょうし)』に思うことー漢字の不思議〈前編〉

皆さん、こんにちは!
英日翻訳家デビュー講座を担当しておりますMasakoです。

よくしゃべるエレベーター

突然ですが、我が集合住宅のエレベーターはよくしゃべります。

ご丁寧に昇りか下りか、各階の到着時など、英語でも知らせてくれます。

さらに階のボタンの上に設置されているスクリーンには、ステキなトロピカルの景色の他に、時間つぶしのために四文字熟語のお題が出て、しばらくして回答が表示されます。

ほんとうに至れり尽くせり、といより「余計なお世話かなあ?」とつぶやきながら、結局読んでは回答してしまいますよね。

日本に住んでいるとよくあるパターンです。

「白鶴亮翅」という四文字熟語を知っていますか?

さて、タイトルにした白鶴亮翅(はっかくりょうし)という四文字熟語、あなたは目にしたことがおありですか?

これはさすがに、未だかつてエレベーターでは見ることはありません。一体何かと言うと、簡化太極拳二十四式のうちのひとつの型の名称です。

日本語で読むと「はっかくりょうし」となりますが、私は中国語で習ったので「バイフーリャンチィ」と読んだ方が馴染みがあります。

漢字で見ると一目瞭然、白い鶴が羽を広げるような動作です。そして、これは作家にして翻訳家でもある多和田葉子の小説のタイトルなんです。

 

多和田葉子著書『白鶴亮翅』

この人はドイツ在住で、日本語とドイツ語で小説を書き、翻訳もこなすマルチな方。

さらに、ロシア語も堪能なのだとか。この『白鶴亮翅』では、独りドイツに住む翻訳家が主人公です。おそらくかなりの部分著者そのものなのかと想像できます。

 

『白鶴亮翅』のあらすじから見ていきましょう。

その主人公がひょんなことから太極拳教室に通うことになります。太極拳の講師は中国人。

受講生らは様々な背景を持つユニークな人たちで、もちろん主人公もかなり個性的。主人公を太極拳に導いた隣人M、大富豪のロシア人、英語教師、フィリピン人、そのほかにも南米からやってきた友人などなど。国際色豊かな興味深い人たちの集まりです。

太極拳教室の開始日、中国人講師はまず太極拳の姿勢から説明します。皆ドイツ在住ですから当然のようにドイツ語による説明です。次いで最初の型「起勢(中国語でチーシー)」の説明、そして二番目の型「左右野馬分髪(ズオヨウイエマフェンゾン)」、三番目の型「白鶴亮翅(バイフーリャンチィ)」へと続きます。

 

さあ、お話はどのように続くのでしょうか?

気になる続きは、次回のブログ後編でお届けします。

お楽しみに!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

商社勤務。英国へ語学留学しCambridge English Certificateを取得。帰国後外資系企業に勤務。その後結婚して夫の転勤先である米国カリフォルニア州、テキサス州、さらにアフリカのナミビアを転々とする。 それぞれの地域のカレッジにて英語、スペイン語、数学、歴史など一般教養を終了し、ナミビアでは、南アフリカ大学の通信教育にてPsychologyを専攻。 1998年に帰国し、2000年にフリーランス「医学翻訳家」として稼働開始。医学分野において創薬(製剤試験、動物試験)、治験関連文書、承認申請資料、照会事項、文献、製薬品質管理、副作用報告書等々、様々な文書の英日、日英翻訳を手掛けて今日に至る。 <趣味や日課> 昔から単純なパズルゲームが好きで、現在は3マッチパズルにはまってます。他には読書。Amazon Primeでドラマや映画を鑑賞(CMがなく、好きな時間に連続して見ることができるので、国内、海外、ジャンルを問わず興味がわいたものを観ますが、近ごろはやりの『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』など常時アドレナリンだらだら系は苦手)、音楽鑑賞。 スポーツ観戦は、相撲に加え、テニスはウィンブルドンのみ、サッカーは四年に一度のワールドカップのみ観戦。フィギュアスケートも観ます。スポーツジムでエアロやヨガのレッスンを受け、マシンに乗ったりしていたのですが、どちらかというとその後の入浴が楽しみ。現在はウォーキングに切り替えています。料理は時短で済ませますが、どういうわけか編み物が好きです。