【様々な翻訳】犬はそれ?彼?彼女?

翻訳者を目指す方のための翻訳講座の講師roberto先生の記事。動物の代名詞。

動物の代名詞

みなさん、こんにちは。イタリア在住のロベルトです。

少し前ですが、ちょうど同じぐらいの時期に、2人の生徒さんと動物の人称代名詞に関してやり取りをしました。

  1. 私が担当しているSubject Choice講座の生徒さんから「動物の代名詞は 何ですか」という質問がありました。
    この生徒さんは、動物に he/she を使わずに、it を使うと怒られると聞いたことがあるそうで、このような質問をしたのです。
  2. それから1週間ぐらいたって、飼い猫について書かれた課題の添削をしましたが、この生徒さんは自分の飼い猫に it を使っていました。

もちろん、動物の代名詞は it ですね。it は人間以外の生きものやものに使われますから、①の返信は「動物の代名詞は it です」になり、②の課題での it の使い方は正解です。

 

下記はイタリアの小学3年生向けの英語の教科書ですが、ここでもMy cat is happy. と My dog is angry. は、It is happy. と It is angry. に書き換えられて、ITのグループに入るようになっています。

翻訳者のための翻訳講座のroberto先生の記事。

 

ペットは家族だから…

しかし、動物を飼っている人は分かると思いますが、自分の犬や猫の性別をもちろん知っているし、家族と同じですから、he や she を使いたくなりますよね。実際多くの人が使っています。

私もオスの犬を飼っていて、私にとっては家族の一人ですから、誰かと犬の話をする時は he を使います。(でも他の人が私の犬に it を使っても気にしません。その人にとってはよその家の犬だし、そもそも犬に興味がないかもしれないからね)

イタリア語では物にも性別があって、人間でも犬でも猫でもなんでも同じ代名詞を使います。だから、そういう呼び方に慣れているイタリア人にとって、動物に he/she を使うのは自然なことです。

そういえば、動物は生き物で性別がありますから he や she を使っても特に違和感がないと思いますが、車をとても大事にしている人の中には、自分の車に it ではなく he/she を使うことがありますね(よく聞くのは she ですね)。

 

himもherも使えない!「あの人」恐怖症になった過去

私にとって、「代名詞」と言って思い出すのは「星占い」です。

学生時代に星占いアプリの日英翻訳を頼まれたことがあります。

日本語の文章はこんな感じ↓

「あなたが恋しているあの人は、仲間をとても大事にする人。あの人との恋を実らせるには、まず気の合う仲間になるのが一番の近道!何でも話せる存在になったあなたに対し、あの人は特別な気持ちを抱くようになるでしょう」

とにかく、短い文章の中に何度も何度も「あの人」という言葉がでてきます。

「あなた」は女性で、「あの人」は男性だよね?と思いながら、念のため担当者に確認をすると、「多分このアプリを使うのは女性だと思うけど、とりあえず男女どっちも使えるようにお願い。同性が好きって人もいるだろうし、ふわっとした感じの訳でね」という返事が...

なんと、「あの人」に he, his, him が使えない!!!

確か全部で80個ぐらいの文章があったと思いますが、どの文章にも、あの人、あの人、あの人、、、、

英語は繰り返しを嫌いますから、同じ言葉にならないように頑張って訳しましたが、この仕事を終わらせた時は、「あの人」恐怖症になっていました。

今ならもっと交渉すると思うけれど、翻訳の仕事を始めたばかりで、日本語でうまく説得する自信もなかったから...。私が若かった時の話です。

 

 

 


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ABOUTこの記事をかいた人

イタリア在住。3言語の通訳・翻訳家。最近は特に、十数年住んだ日本が懐かしくてたまりません。