【翻訳家になるには】『翻訳ってなんだろう?あの名作を訳してみる』より心に残る言葉

『翻訳ってなんだろう?あの名作を訳してみる』より心に残る言葉

みなさん、こんにちは!

2021年は、年明けから多くの方が恒例の行事や会食を控えて、家で静かに過ごされたことと思います。

昨年末に図書館へ行き、ここのところとんとご無沙汰している紙の本を数冊借りてきていました。一度読み始めると、芋づる式に次々と読みたくなるもので、年が明けてからたどり着いた本が以下の2冊でした。

これまで産業翻訳一本でやってきて、好きだった文芸翻訳の世界に足を踏み入れ、心機一転しているところですが、今のところ旅行に行けずに欲求不満が溜まっている私の目には、なにやら青いパスポートのように映ります。「文芸翻訳の世界」に旅するためのパスポートでしょうか。

作家かつ翻訳家である村上春樹と英米文学研究者かつ翻訳家である柴田元幸の両氏の翻訳談義や同一の米国作家の短編小説をそれぞれ翻訳して比較したものは、前にも読んだことがあります。

主人公が「僕」であったり、「私」であったり。また原文そのままに簡潔でどちらかと言うと硬質な語り口の柴田訳と、やや回りくどいながら、村上節ともいえる文体で読み手を飽きさせない村上訳との対比がとても興味深かった記憶があります。今回も様々な驚きが待っていることでしょう。

 

翻訳家の心構え、とは?

ところで、そんな風に記憶を探っていくうちに、そういえば……と思い出した本があります。

先ごろあの『嵐が丘』や『風と共に去りぬ』を翻訳した鴻巣友希子著『翻訳ってなんだろう?あの名作を訳してみる』。かなり前に読んだため、この本自体は現在手元にはありませんが、翻訳家の心構えとしてなるほどと思った箇所を、今後の指針として書き留めてありました。

以下にその抜粋を記します。

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それから、プロの文芸翻訳家を目指すかたへ。何度も言ってきましたが、訳文だけ上手くなろうとしないでください。よく読めればよく訳せます。外国語なら、ある段階までは「スキル」を磨くことで、「上達」することはできますが、母語は技術だけを磨いて「上達」することはできません。思考を深め、視野を広げ、知のバックボーンを築くことで、母語は自然に鍛えられ、豊かになるのだと思います。

いきなり「巧みな訳文」を目指さず、的確でフォーカスの合った訳文を目指してください。読みが的確であれば、文章自体は多少粗削りでもかまいません。……技巧より確かな読みを大切にしてください。

『翻訳ってなんだろう?あの名作を訳してみる』筑摩書房

鴻巣友希子

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いかがでしょうか?

私自身も含め、翻訳に挑む受講生の方々にとり、特に最後のパラグラフが重要かと思います。上手く訳そうと焦らずに、まずは読み込むこと。誤訳や訳抜けのない素直な訳を目指していただきたい、また私自身もそうありたいと願っております。年頭にあたり、初心に戻って何度も何度も言い聞かせております。

 

さて、これからこの青いパスポートを持って、「翻訳の世界:村上春樹と柴田元幸」への旅を始めることにします。寄り道の多い、長い旅になりそうです。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

商社勤務。英国へ語学留学しCambridge English Certificateを取得。帰国後外資系企業に勤務。その後結婚して夫の転勤先である米国カリフォルニア州、テキサス州、さらにアフリカのナミビアを転々とする。 それぞれの地域のカレッジにて英語、スペイン語、数学、歴史など一般教養を終了し、ナミビアでは、南アフリカ大学の通信教育にてPsychologyを専攻。 1998年に帰国し、2000年にフリーランス「医学翻訳家」として稼働開始。医学分野において創薬(製剤試験、動物試験)、治験関連文書、承認申請資料、照会事項、文献、製薬品質管理、副作用報告書等々、様々な文書の英日、日英翻訳を手掛けて今日に至る。 <趣味や日課> 昔から単純なパズルゲームが好きで、現在は3マッチパズルにはまってます。他には読書。Amazon Primeでドラマや映画を鑑賞(CMがなく、好きな時間に連続して見ることができるので、国内、海外、ジャンルを問わず興味がわいたものを観ますが、近ごろはやりの『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』など常時アドレナリンだらだら系は苦手)、音楽鑑賞。 スポーツ観戦は、相撲に加え、テニスはウィンブルドンのみ、サッカーは四年に一度のワールドカップのみ観戦。フィギュアスケートも観ます。スポーツジムでエアロやヨガのレッスンを受け、マシンに乗ったりしていたのですが、どちらかというとその後の入浴が楽しみ。現在はウォーキングに切り替えています。料理は時短で済ませますが、どういうわけか編み物が好きです。