【翻訳家になるには】日本語に訳しにくい英語

【翻訳家になろう】日本語に訳しにくい英語

Hello everyone!

今回は、フィンランド人講師Erikaがお届けします。

 

日本語に訳しにくい英語

外国語に訳しにくい表現ってどの言語にも存在しますよね。

例えば、英語で言うと“deserve”。言葉は1:1で対応しているわけではないので、日本語には英語のdeserveに当たる動詞表現がないのです。いや、正確に言うと「~に値する」などが存在しますが、

「~に値する」をそのまま使ってしまうとどうしても直訳っぽい日本語になってしまう可能性が高いでしょう。

例えば、次の英文を見てみましょう。

“You deserve the best.”

そのまま訳すと「あなたは最善の物に価する」になるのですが、

いかにも直訳……

って感じですね。

もうちょっと工夫して翻訳してみると、「君には最高の物を与えたい。」のような感じになると思います。でも正直に言えば、これも少し翻訳っぽい感じが否めません。

文脈に配慮しながら、思い切って発想を逆転させて

「~さんは誰よりも素晴らしい人だ」のような日本語訳にしても良いかもしれませんね。これは周りの文章まで読まないと分かりません。

皆さんは、どのような日本語訳が良いと思いますか?

 

“deserve”を使った面白い翻訳の例

この“deserve”を使った面白い翻訳の例として

“You deserve a medal.”=「表彰ものだ。」と、

“He deserved it.”=「自業自得だ。」というのがあります。

聞いて「なるほど~!」と思える日本語訳ですね。

 

ちなみに、あの夏目漱石は“I love you.”を「月が綺麗ですね。」と訳していたそうですね。

フィクションの翻訳というものはこれぐらい自由で良いのではないかと思います。翻訳の正確さももちろん大事ですが、フィクションではやはり登場人物の個性や心理描写、そして文章としての面白さが優先されるべきだと思います。

 

英語に訳しにくい日本語

 

英語だけじゃありません。訳しにくい表現はもちろん日本語にも存在します。

例えば、日本語の一人称。英語の一人称は非常に分かりやすく、「I」しかありません。

すっきりさっぱり!

しかし、日本語の「私」「俺」「拙者」「あたい」などの様々なニュアンスを表すには残念ながら不十分ですね。

数年前に話題になった『君の名は。』という映画は、日本人の女性と男性が入れ替わるというストーリーなのですが、女性の一人称と男性の一人称が重要になってくるシーンがあり、英語翻訳者も結局お手上げだった…という話を聞いたことがあります。英語字幕版を手に入れてどのように訳されているか確認してみたいですね。

 

また、「お湯」もちょっとトリッキーかもしれません。

例えば、「水がお湯に変わる」という文章があったとしましょう。

“Water turns into warm water.”

という英訳だと

「どっちもwaterじゃん!」

と言う風に読者が混乱し兼ねませんので、せめて

“Cold water turns into warm water.”

と訳したほうが良さそうですね。

 

もう一つの例は「木漏れ日」。

これは私の大好きな日本語なのですが、英語に訳すと

“sunlight filtering through leaves”

になって、どうしても日本語とは違う雰囲気になってしまいますよね。ちょっと長いので、文章内での使い勝手も随分と違いますね。

英語圏の人々はまだ木漏れ日の美しさに気づいていないだけなのかもしれませんね。「木漏れ日」の響きが好きな人間としては早く「木漏れ日」に当たる綺麗な英語を発明してほしい所です。

 

 


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翻訳家のたまご

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ABOUTこの記事をかいた人

フィンランド出身。日本語能力試験最難関のN1取得。IELTSアカデミックスコア8.5(8はExpert User、9はNative User)。日本語も日本人と見分けがつかないほど流ちょうに使いこなせるN1講師。フィンランドでは小学生のころから英語を学び始め、海外のテレビや映画は吹き替えではなく字幕が使われており、若い世代は英語が話せない人はほとんどいないと言っても過言ではない状態にあります。Erika先生も幼稚園から英語を使って育っており、英語力についても当社英語圏ネイティブ講師がまったくネイティブとそん色ないレベルと評価しています。座右の銘は「Challenge yourself!」