【文芸翻訳】「著作権が切れた」という英語表現

「著作権が切れた」という英語表現

こんにちは!ニューヨークシティからMihokoです。

ああ、ゆっくり本を開いてないなぁ〜と思う今日この頃。久しぶりに電話で話した友人が、そんな私に言いました。

“Hey, did you know 『The Great Gatsby』 is now in the public domain?”

domainとは法律用語で「所有権」のことですね。the public domain=所有権が公に開かれている、つまり、「誰でも使えるもの」という意味です。

著作権について気になったのでちょっと調べてみたら、アメリカでは1978年1月1日以降に出版されたものと、それ以前に出版されたものとでは出版物の著作権が守られる年数が違うみたいですね。

知らなかった!

『The Great Gatsby』 は1925年が初版です。1978年1月1日よりも前に出版されたものに関しては、

“The term will vary depending on several factors.”とのこと。

この”several factors”がくせものっぽくて、はっきり言って当事者にしかよくわからないですね。

どういう計算になるのか不明ですけど、とにかく『The Great Gatsby』 は、2021年1月1日から著作権の保護される期間が終わり、誰でも自由に使用できるようになったらしいのです。

 

英語と日本語では表現が違う「著作権が切れた」

こんなことを調べていて、ちょっとした日英の言葉の違いを見つけました。日本語だと「著作権が切れた」という言い方をしませんか?

でも、英語だと、”〜is in the public domain.” と、「〜は誰でも使えるようになっている」という言い方をよく使います。

面白い!

日本語の感覚で「著作権が切れた」を直訳して、

The copyright (protection) of The Great Gatsby expired.

と英語で表現しても、もちろん通じますけど、

The Great Gatsby is in the public domain.

と言うことが多いのは時制表現のせいかも?と思ったんです。

 

英語の過去形って、「過去のいつか?」をはっきりさせたがる気がします。

yesterday, last Friday, two years agoなどなど、なんでもいいんだけど「過去のこのポイント!」という表現を一緒に欲しがるというか。

The copyright (protection) of The Great Gatsby expired.

だけだと、「いつ切れたんだよ?」と突っ込みたくなるっていう感じ。

この「切れた瞬間がいつなのか?」がハッキリわからなかったりして、それが言えないと、表現として曖昧に聞こえて使う方も使いづらいとかってあるのかも?

その点、現在形で

The Great Gatsby is in the public domain.

と表現すると、「今、現在」という一つしかない瞬間を指していて、はっきりした表現という感覚。間違っているかもしれませんが、そんな感じかなぁ〜と考えたりしました。

 

20世紀のアメリカを物語る『The Great Gatsby』

さて、『The Great Gatsby』、読んだことありますか?

1920年代初頭のニューヨーク。世界第一次大戦とか、禁酒法の時代ですね。

マンハッタンからイーストリバーを超えて東へと伸びる大きな島(ロングアイランド)にあるWest EggとEast Eggが舞台です。これらの地名は実は架空で、Great NeckとPort Washington Peninsulasがモデルとなっています。

作者のF. Scott Fitzgerald は実際にGreat Neckに住んでいたことがあるそうです。『The Great Gatsby』は、そこで繰り広げられる富裕層の話です。

東西に分けられたEggsという土地を比喩にして、代々富を築いてきた人たちと新興勢力の人たちとの葛藤を描いています。20世紀のアメリカを代表する作品のひとつとして、アメリカの学校では国語の授業で取り上げられるような本です。

読んだことがなければ、ぜひ読んでみてくださいね!

 


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翻訳家のたまご

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ABOUTこの記事をかいた人

日本の大学で英語、ロシア語、ラテン語を学びながらフラワーデザイン学校に通いフラワーデザインを習得。翻訳も通信で勉強するがもの足りずニューヨーク・シティに移住。市内の大学で英語を学び直し、フラワーデザイナーとなる。同時に、翻訳や通訳に従事し、日本語や英語の家庭教師を務める。 翻訳実績:主に音楽関係の記事やCDのライナーノート、ブログ記事、履歴書のプロフィール、ビジネスレターなど通訳実績:取材、現地学校における諸行事、プライベートレッスンの場など 息抜きには土いじり、ルービックキューブ、星や月を眺めながらの一杯。クラシックバレエ用ストレッチとヨガを自己流でアレンジした整体をしたり、一指禅、日記を書くことが日課。好きなスポーツはサッカー、バスケットボール、水泳。ジャンルを問わず日々の生活に音楽は欠かせない。