【バイリンガルの視点】海外育ち5歳児の日本語の間違いから言語学習を改めて考える!

海外育ち5歳児の日本語の間違いから言語学習を改めて考える!

皆さんこんにちは、羊の数が人口よりも多いニュージーランドに暮らすA.Mioです。

ここ南の果て、ニュージーランドにも世界に遅れてついにオミクロン株が上陸し、市中感染があっという間に蔓延している今日この頃。政府もいよいよ現実的にならざる終えず、去年までの「ゼロ・コロナ戦略」から一転してコロナとの共生を目指しているニュージーランドです。

イギリスなどとは異なり、現時点ではまだ規制も多く残されている状態なので風邪のような症状がある場合は会社や学校へ行かずに自宅で待機→テストを受けて陽性反応の場合は自宅で隔離、という流れです。

そんな中、先週我が家のもうじき5歳になる息子がひどい鼻水を出し始め、一晩中せき込むという症状が出ました。慌てて翌日GP(かかりつけの開業医)でのPCR検査を受けさせましたが、結果は4日ほどかかるとのことで、それが出るまでは息子を幼稚園に行かせることが出来ませんでした。

ガガーン! 普段は息子が幼稚園に行っている間に仕事をしているのですが、彼が1日中家にいると勿論予定通り仕事はできません。

結局あきらめて、息子と寄り添うことにした私。5歳児の男との子と1日中一歩も外に出ずに家にこもるのは予想以上にエネルギーが要りますが、それを続けて4日目、ふとあることに気が付きました。

 

息子の日本語能力が伸びている!

普段は幼稚園や私以外の人と話す場合は全て英語の彼。生まれた時から私は日本語で話しかけていますが、圧倒的に日本語が弱いです。私が言っていることは理解しているようですが、返ってくるのはほとんどは英語で、という状態です。

そんな彼が家籠り3日目の朝、

「カアサン、コレ(食べていたおにぎり)、サムイヨ。」

 

日本語でこんなことを突然私に言ってきたのです。

日本語の文法的にみると勿論間違っていますが(「寒い」→体感温度を指すので、物の温度を指す場合は正しくは「冷たい」ですよね。)日本語がぶつ切りの単語ではなくセンテンスで彼の口から出てきた最初の瞬間でした。職業柄、言語にかかわらず誤りがあると文法的に訂正したくなってしまうのですが、そこをグッとこらえて「そうだね、ごめんね、それ、冷たかったから温めようね。」と返した私。

その次の日には、こんなセンテンスが出てきました。

「〇〇〇(自分の名前)、コレ イッパイ ダイスキナ。」

こちらも「大好きな」は名詞の前に置く形だよ、といった訂正はせずに私は「そうなんだね、〇〇〇はこれがすごく大好きなんだね。」と返答しました。

 

日々の何気ないやりとりの光景ですが、このような瞬間に言語学習の初心に戻ることが出来る気がします。

言語を学んでいると、誰もが「なかなか伸びを感じられないな」と壁にぶち当たったり、人と比べて焦りを感じることがあるものです。でも、学んでいる言語に常に触れるようにしながら、じっくり根気強く向き合うことで、少しづつ前に進んでいくことが出来るものなのです。

フルーツフルイングリッシュで英語を学んでいる皆さんも、焦らず、一歩一歩前に進むプロセスを楽しんでくださいね!

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

日本だけでなく海外でも英語指導経験のある講師。大学卒業後一貫して言語指導に取り組んでおり、学習者の立場になり分かりやすく、親しみのある指導を心がけています。ニュージーランドで日本語指導経験もあり、教えるということに関してはまさしくプロ!