【翻訳家の挑戦】俳句ド素人の翻訳家 句会へ その2

いつもは添削をする側の翻訳家misa先生が初めての句会で添削される側に。

いよいよ始まります。まずは選句!

みなさん こんにちは!
英日翻訳講師のMisaです。
さて今回も、俳句ド素人のわたしが初めて句会に参加したときのエピソードをご紹介します!
前回のブログ記事はこちら

生まれて初めて俳句を作り、句会の意味も知らずに、「初心者やから、見学っぽい感じなんだろう」などとのんきな気持ちで句会に参加したわたし。
いきなり、俳句歴ン十年の達人たちとともに、選句(参加者が提出した俳句の中から、自分が良いと思う句を五句選ぶ)までおこなうことに――

 

 

プロの仕事に感動!

どっっひゃぁぁぁぁぁーーーーー!!!!! 俳句歴ン十年の達人たちの句の素晴らしいこと!(こんなボキャブラリーでしか表現できない自分がくやしいです~)

どの句も、独自の感性や視点で自然や日常をとらえ、まさに〝研ぎ澄まされた〟言葉で表現されています。
わずか十七文字の中に、独特の世界が完成しているのです! なつかしい気持ちになるもの、優しさにあふれたもの、しみじみと趣深いもの、思わず、That’s it!と声が出そうになるもの(←なんで英語なの~?!)、何度も読んでじっくりと考えてみたくなるもの……。
すべての句が、日本の風景や日常の一瞬を、日本人の心の機微を、みごとに切り取っているのです!

感動で胸がいっぱいになりながら、悩みに悩んで、わたしはなんとか五句を選びました。

 

 

なんと清新な、風雅な時間!

そしていよいよ、入選句が読み上げられる時間に!
緊張と期待が入り混じる静寂の中、入選句が読み上げられると、入選者が下の名を名乗っていきます。
句が読み上げられる心地よい響き。入選者それぞれの思いが滲む名乗りの声。
なんと清新な、風雅な時間なんでしょう!
しかも、ド素人のわたしが選んだ句も、「みささん、選!」という言葉のあと、一句一句ていねいに読み上げてくれるのです。
わたしはこの、なんとも風雅な時間が大好きになりました!

こうしてわたしの初句会は、さまざまな気持ちが交錯しながらも、何ともいえない緊張感や心地よさ、落ち着きを感じ、一句一句の世界をしみじみと心で味わう、とっても素敵な時間となりました。
また、作成した句はこの会の先生に添削してもらえることがわかり、初心者のわたしは特別に、会の代表の方にも添削してもらえることになり、一気に心強くなりました。
そして、「無謀だけど、とにかく俳句を始めてみよう!」と決め、入会することに――

と、今度は、返ってきた添削結果に目を見張り……そして、英日翻訳の添削を仕事としている自分をふり返り、添削のスタイルを見つめ直すことに……。
さらには、俳句と翻訳の共通点の多さに驚くことになるのです――(次回に続く)

 

いつも添削する側の翻訳家misa先生。句会では添削される側に。

 

 

英訳で俳句をさらに味わおう

さて、俳句は世界で広く知られ、松尾芭蕉や小林一茶らの有名句の英訳も出版されているようです。
また、英語俳句(日本の有季定型俳句をベースの考え方とし、英語の現在形で創る三行詩)というスタイルも生まれ、多くの国々で親しまれているとのこと。

ではここで、芭蕉の句の英訳をご紹介しましょう!
いずれの句もいくつかのバージョンがあるようです。

 

古池や蛙飛び込む水の音

Old pond  Frogs jumped in  Sound of water. 
(小泉八雲訳)

The ancient pond  A flog leaps in  The sound of the water. 
(ドナルド・キーン訳)

The old pond  A frog jumps in  Plop!
(レジナルド・ブライス訳)

 

 

閑さや岩にしみ入る蝉の声

How still it is!  Stinging into the stones  The locusts’ trill.
(ドナルド・キーン訳)

What stillness!  The voices of the cicadas  Penetrate the rocks. 
(レジナルド・ブライス訳)

 

 

こうしていく通りかの英訳を読むと、また新たな発見や味わい、余韻を楽しめますよね!
自分で英訳してみるのも楽しそうです!

 

 


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翻訳家のたまご

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2 件のコメント

  • Misa先生

    お元気ですか? ブログ、前回のも含め、大変楽しく読ませていただきました! 続きがとても楽しみです。
    岸本葉子さんの「俳句、はじめました」 という本をご存知でしょうか。とても面白いのでお知らせしてみます。

  • Mikaさん、俳句ブログをお読みくださり、どうもありがとうございます! また、春のセミナーでもとっても楽しかったです! 毎度ありがとうございます(*^▽^*)
    岸本葉子さんの本、さっそくグーグってみました! まさに、岸本さんもハラハラ緊張の句会だったようで、即、購入ボタンを押しました! 今のわたしが読むのにピッタリな感じ! 良いご本をご紹介くださり、どうもありがとうございます! 
    俳句ブログの続き、今度は「添削編」となります。See you soon!!!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    兵庫県出身。大阪女学院短期大学英語科、Gwinnett Technical Institute Travel Management学科卒業。電機会社勤務、英語塾経営・運営を経て、翻訳業に従事。現在、児童英語講師と翻訳通信講座添削トレーナーも務める。 翻訳実績(和訳):ノンフィクション(人文系)、コミック(英文学対訳シリーズ)、雑誌(クラフト系)、映画関連資料(公式サイト、劇場用パンフレット、予告編、特典映像、プレスリリースなど) 『趣味は洋画と洋楽(〝あの〟映画を観てからQueenに夢中!)鑑賞、阪神タイガースの応援(田淵・掛布時代からのファン! わっ、古ぃ~)。日課は20分程度のウォーキングとストレッチで、運動不足解消のため両手両足を大きく振って歩くので、すれちがう人から「お! がんばっとるな!」と声をかけてもらっています(笑)。そして夜はお酒のアテづくりと「家呑み」。毎晩8時以降は居酒屋の女将に変身します!』