【3分で英訳のコツ】― 主語は何かを論理的に判断する!

【3分で英訳のコツ】― 主語は何かを論理的に判断する!

こんにちは、さゆりです。

 

The conference room could be extended by 30 minutes if you don’t have sufficient time.

 

この文章を読んで、皆さんはどう思われますか?

何かおかしいと思われた方は、英文における主語を論理的に判断する習慣がある方です。

ただこの文章は、プロの翻訳家がよく使う某辞書サイトの実務例文で見つけたものですから、プロの翻訳家でもよく間違えるということです。

さてこの文のどこがおかしいのでしょう?

それは主語です。

 

英訳のポイント、主語を見てみよう!①

この文章は、文法的には

 

The reservation of the conference room could be extended by 30 minutes if you don’t have sufficient time.

 

とするべきなのです。論理(英語)的に考えると、conference room という空間を30 minutes という時間枠で伸ばす(extend)のは不可能ですよね。この文章の場合は、if you don’t have sufficient timeという従属節があるので、reservation ofが抜けていても、extendできるのが時間であるということは容易に想像は付きますが、この従属節がなく、

 

The conference room could be extended by 30 minutes.

 

だけだとほぼ意味不明になってしまいます。

もちろん口語の場合、十分意図が通じるような場面では、native でもこのreservation ofのような語句を省略することはしばしばありますが、文章にする場合は省略しません。よく新聞記事のインタビュー/発言で単語を()で括っているのは、「発言はされていないけど、こういう単語が省略されていますよ」ということを知らせるためです。

 

日本語はしばしば主語が省略されるので、私達日本人は主語を論理的に考えるのが苦手なのかもしれません。

 

英訳のポイント、主語を見てみよう!②

最近よく添削で見かけるのが、時代を反映して以下のような文章です。

 

Our emergency declaration was finally lifted.

 

日本語では「宣言の解除」なのですが、英語表現的にいうとlift されたのは、「state of emergency」という状況なのです。「宣言(declaration)」は一回きりの行為で、状況ではないので解除する事は難しいのです。もちろん、「宣言」をcancel することは可能ですが、cancel というのはなかったことにするということですから、「解除」とは若干ニュアンスが異なりますね。ですから、ここは、

 

Our state of emergency was finally lifted.

 

とするのが適正でしょう。

 

ただ、話をややこしくして申し訳ないのですが、State of Emergency Declaration を一つの固有名詞として扱い、

 

The State of Emergency Declaration was finally lifted.

 

とすることは可能です。

 

また、be 動詞と補語の関係に関しても似たような例があります。

 

I would like to have a meeting with you tomorrow at 10:00 am.

If you are convenient, please let me know.

 

というような間違いは割に頻繁に見かけます。この文章は、文法的には可能ですが、「もしあなたが便利な人間なら、お知らせください」という意味になってしまいます! ですから下の文章の主語はconvenientな「対象」であるべきです。

 

If the time is convenient to you, please let me know.

If that is convenient to you, please let me know.

 

このように適切な主語を論理的に探していくと、相応しい動詞、目的語も自然に見えてくることが多いので、英文を書く際の参考にして下さい。

 

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2 件のコメント

  • おはようございます…

    初めまして
    東大阪市在住の
    北川八十四( やとし ) ともうします
    よろしくお願いいたします…

    ズームなどでの
    英語の御指導は
    なさっておられるのですか…

    わたしは
    おかげさまで
    土曜日日曜日のいくらかの時間がつかえますが…

  • 北川さま

    ご連絡誠にありがとうございます。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    現在、オーストラリアのメルボルンに在住です。 日本を1991年に離れ、オーストリア、アメリカなどに居を構えました。20年近く、外資系金融機関で、リサーチ、営業に携わってきたので、専門は、金融/経済/会計ですが、現在は幅広く翻訳の仕事をしています。