高齢化社会はAging Society?

こんにちは、さゆりです。

高齢化社会はAging Society?

先日添削をしていて、「高齢化社会」という単語に出会いました。
生徒さんは、Aging society と訳していました。何となく気になって日本の辞書を検索してもAging society でした。

それでもやっぱり気になって、Aging societyをググってみました。

そこで「ああ、やっぱり」と思いました。Aging society として出てくるのは、ほとんどが日本語が原文のテキストを英訳したものだったからです。

それでは「高齢化社会」は何と訳すのでしょう?

最も一般的な訳は、Aging population だと思われます。

Aging Societyは間違い?

それでは、Aging society は間違いなのでしょうか?日本語テキストの英訳には、Aging population よりAging societyの方がはるかに一般的に使用されているようです。

Aging societyと書いてあれば、意味は通じますし間違いではないと思います。
ただ英語圏では、あまり一般的に使用しない、目にしないということが言えるようです。

じゃあ何故? 「高齢化」はAgingだし、「社会」はsocietyなので、何の問題もないような気がします。
私自身、添削の時に何故引っかかったか上手く説明できずに考え込んでしまいました。

 

「Aging」と「Society」、二つの単語を分解して考えてみる!

これは、「Aging」と「Society」という二つの単語の相性なのです。
「Age(Aging, Ageing)-歳を取る」という意味で動詞、或いは動名詞で形容詞として使用する場合は、基本的に人間、動物にしか使いません。
Aging skin, Aging lion, Aging population などなど。
じゃあ、Population は生き物なのかという話になるのですが、Populationも基本的に生物にしか使用しない単語ですよね。

ここでややこしいのは、同じ生物だとしても、木などには使えないことです。

aging wood とは言えません。もちろん、長い年月を経た道具などに神や精霊(霊魂)などが宿るという日本の「つくも神」のコンセプトは全くありません。古いバケツはあくまでold bucket(或いはancient bucket)であり、aging bucket ではあり得ないのです。

もちろん、街を擬人的に見立てて、Aging town といったような文学的用法も十分可能なのですが、基本的に生物と無生物の区別はキリスト教社会では厳然としており、一部の単語は、一般的な使用法もある程度限定されてきます。

ただ物事をさらに複雑にするのは、、同じような意味でも「age」の 受身形を形容詞として使用する場合(「aged -…歳の、年数を経た、老齢の、老いた、老人(たち)」)は、生物以外のものにも使用できるのです! Aged wine, aged cheeze, aged furniture などといった具合に。

また、辞書で「Society」を引くと、

ー「(独自の慣習・法律などをもつ組織体としての)社会、共同体、社交界(の人々)、上流社会、社交、つき合い、交際、(人との)同席、人前、会」

などと出てくるのですが、このSocietyは一つの器であって、歳をとる生きものではないのです。例えば、「Australia Japan Society (日豪協会)」のメンバーがほとんど高齢者であったとしても、それは日豪協会が「古い」物であることとは別物です。
日豪協会が古く歴史のある協会とする場合には、historic (established) Australia Japan Society となります。

 

このように単語の使用法は、文脈や単語同士の組み合わせで大きく左右されてしまい、それはもう習うより慣れの世界なのです。
その為に最良の手段はやはり多くの英文に触れるということに尽きると思います。別に難しい文章を読まなくても好きな英語の歌の歌詞を覚えたりするのが、英語のリズムを掴んだり慣用表現を覚えるのにとても役立ちます。

皆さんのご意見も是非お聞かせくださいね。

フルーツフルイングリッシュで英語表現の楽しさ感じてください 。初めての方には英作文添削チケット2回分をプレゼント。
「無料英語テスト800問(解説付)」メルマガも大人気。今すぐチェック!

英語テスト800問・英文添削2回が無料!

※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。

1 Star (28 イイネ!が押されています)
この記事が良いと思ったらイイネ!を押してください。
読み込み中...
 HOMEへ戻る 

コメントする

コメントは認証制です。執筆者に認証されるまでは表示されません。

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

現在、オーストラリアのメルボルンに在住です。 日本を1991年に離れ、オーストリア、アメリカなどに居を構えました。20年近く、外資系金融機関で、リサーチ、営業に携わってきたので、専門は、金融/経済/会計ですが、現在は幅広く翻訳の仕事をしています。