【プロフェッショナル・ビジネス英語】- 取引と契約 その3

ビジネスブログの読者の皆さん、こんにちは。講師のShinichiです。

今回のブログは、「【プロフェッショナル。ビジネス英会話】- 取引と契約 その2」の続編です。見逃した方は、まずこちらからどうぞ!→https://www.fruitfulenglish.com/blog/shin-14/

 

日本と欧米、「取引と契約」の発想が根本的に違う⁉

悲しいことに、恐ろしいことにロシアのウクライナへの侵攻が続いています。読者の皆さんがこの記事をご覧になった時には終息していることを切に願います。
さて、国家間には条約というものがあります。NATO (North Atlantic Treaty Organization)では、加盟国の共同安全保障条約です。同盟国一国の危険に対して共同で守る義務があります。

対して、ロシアは、2022年時点でアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタンと共同安全保障条約があります。ウクライナはどこの共同安全保障条約にも加盟していません。条約が無い限りどこの国も直接戦争に加担することはできません。

反対にウクライナがロシア国内を一回でも直接攻撃するとロシアの他の五カ国をも敵に回します。つまり六カ国からの攻撃を受けます。五カ国は嫌でも攻撃を支援する責務があります。ロシアの共同安全保障条約が発動するからです。

上記のことから分かることは、書かれた国家間の契約である条約は絶対的なことで、条約が発効した後、その都度の交渉などの口頭でのやり取りは条文に何の記載も無い場合を除き、何の約束にもならないのです。

国内ニュースで、日米安全保障条約の有事の際の実行にアメリカ合衆国の大統領や国務長官に言及して追認を受けたなど、口約束の報道がありますが。日本の報道機関は全く分かっていません。条約の前に口約束など何の意味もありません。絶対だからです。もし安全保障条約で条文の追加や修正をしたと言うことであれば、やっとニュースの価値が発生します。

別の例です。韓国の徴用工問題の蒸し返しに対して、全安倍首相が「1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決している。」と述べたにも関わらず蒸し返しを続けているというニュースについては、東アジアの条約軽視がみて取れます。欧米型の国際公式文書の絶対性は世界的な常識になっているはずが、東アジアでは幾分違う様です。

民間企業でも、「契約書ありき」が国際取引と国際契約の基本中の基本です。

 

実際にありそうな英語での取引劇を見てみよう!(その2)

さて、前回に引き続き取引劇の後半を見てみましょう。[前回の記事はこちらからどうぞ!] https://www.fruitfulenglish.com/blog/shin-14/

Acme社と山猫商会の交渉が続きます。

Acme’s manager remarked, “Then, let’s get down to the business!” (それでは仕事にとりかかりましょう。)

  • ここから、取引の話が継続していきます〜。

Yamaneko Shokai’s supervisor said,

“I don’t like the proposal.  I remembered we need to prepare some ball pointed pencils.  Yamashiro san, could you ask the General Affairs team whether they buy them soon.  Oh, sorry.  We need more materials from Country AAA in Africa.  Also, we need some help from an outsourcing company.”(

山猫商会の係長が言いました。「その提案は好きじゃないなあ。ボールペンが少し必要な事を思い出した。山代さん、総務チームにすぐに購入する様に言っておいてくれないか。あっ、すみません。アフリカのAAA国からもっと材料が必要です。それと、外部委託会社から少し支援も必要です。)

Acme’s manager replied,

“Is the former thing too early to start talking about it because we need to complete some basic processes first.  Didn’t we discuss the latter thing and confirm it.  Why can you suggest the opposite case now?”

(アクメ社の責任者が答えました。「第一の点については、最初にある程度基本的なやり方を完了すべきで、その話を進めるのは少し早すぎるのではないですか。後の点について話し合いと合意はできたのでは。今なぜ反対のケースを持ち出すのですか。)

  • 休憩時間です。何やらAcme社の何人かが話し込んでいます。

Acme’s manager whispered,

“I have a headache.  They sometimes talk about things unrelated to our mutual business.  They start talking C, D, and X and then go back to A.  Why can’t they talk from A, B, C and D?”

(アクメの責任者が、小声で言いました。「頭痛がしてきた。あちら側は、お互いの取引に関係のないことも話し出すしね。C, D, X、その後にAに戻る様な話を始めるている。なぜ、ABCの様に順序立てて話せないのだ。)

 

国際取引にありがちな話し合いの食い違いを分析!

今回のこの様な事は、国際取引でありそうな事です。

日本の会社との取引では、話し合いで日本側は、その大枠を掴む、そのために色々な話題を盛り込む、お互いの人間関係を詰めようとします。

一方、海外の多国籍企業は、条件の内容を精査しながら、その条件をどの様に契約書に記すかを考えて、決めていきます。

一つ一つ条項が決まることにより契約書の基本ができていきます。そして、契約書が取り交わされればそれは絶対です。後で不都合がわかれば現場で話し合えば良いなどと言う日本的な発想はありません。

外国籍企業の交渉者は、起こるかもしれない不都合を契約書を作る前の段階で極力想像しそれを一つ一つ潰していくのが交渉者の最大の職務の一つです。文面化した資料は、その後弁護士が精査し法務部や関係部署、上部管理者らが承認してやっと一方の当事者の契約草稿が出来上がります。

 

  • 語彙を広めましょう:

この会社、アクメ社(架空の会社です)は、以下の言葉から命名されました:
The acme [不可算名詞](人や法人が最大限に達成できること、またはできることの頂点)
(例) He attained the acme of perfection in landscape painting. (その人は、風景画において、完全の域に達しました。)

講師 Shinichi

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ABOUTこの記事をかいた人

2004-2006年に米国資産評価会社本社付け日本地域プロジェクトの翻訳専任担当で日英翻訳デビューしました。現在に至るまで翻訳に関わりながら、経営コンサルタント・事業管理など実務を経験しています。英国大学・大学院で、英語基礎コースを経て経営学修士と金融投資スペシャリズムの取得まで、エディンバラ市に3年在住していたことがあります。多国籍企業の役員からバイオ科学者、企業家、大学長、環境保護活動家など様々な外国籍友人がおります。