ビジネスの世界と英語ーその1. 「会社は誰のもの?」

ビジネスの世界と英語

みなさん、こんにちは。

講師のshin (Shinichi)です。

ビジネスの世界と英語を絡めて発信していきます。今回は「会社」について。

会社を英語でどの様に言いますか?

会社を英語でどの様に言いますか?最初に、皆さんご存知の”Company”がありますよね。”Firm”という、a “law/accounting firm”の様に専門的なサービスを提供する会社を指す単語もあります。

それでは、以下の表現は正しいでしょうか。

  1. I use a bus to commute to the company every day. (私は毎日バスで会社に出勤している。)
  2. After I graduated from Reiwa University, I entered the company. (私は令和大学を卒業してからこの会社に入社しました。)

 

回答は、1も2も間違いです。

[正しい回答]

  1. I use a bus to commute to the office/facility/factory/plant/laboratory/shop (英国) or store (米国)/workplace.
  2. After I graduated from Reiwa University, I “joined/became an employee of” the company. (二通りの例)

 

[解説]

1.について、勤務先例は沢山書きましたが実際にはもっとあるでしょう。学校の先生は’school’で、駅員は’station’、駐在者は’a customer’s office’ですしね。回答例の最後のworkplaceは「職場」で何の種類の職場とは限りません。

日本語の「会社」は、『会社の建物や敷地、組織や事業体とのしての団体』を示します。

一方、英語のcompanyには、「会社の建物や敷地」と言う意味はありません。『組織や事業体としての団体』については日本語と同じです。さらにcompanyには、日本語には無い意味もあって、other people/ guests/ friends と同様の意味も持っています。下の図で日本語の「会社」と英語の”Company”の関係をまとめました。

2.は受け取る人によっては、事業を始めたのだと理解する人もいるでしょう。「入社する」という意味にするには、enterではなく、joinを使います。「会社という組織に加わる」のです。

また、companyには上述の様に「仲間」という意味もあって、ある人が友人の連れてきた初対面の友人の友人を気に入ったとします。その人は、自分の友人に “I like your company.” と言うでしょう。「貴社が好きです」と言う意味ではありません。Cのもう一つは、株主(投資家)から所有している会社を見ると自分の事業をthe businessまたはcompanyとも言います。

 

「会社は誰のもの?」

さて、「会社は誰のもの?」

日本では会話の中で「我が社は・・・」「うちの会社は・・・」「貴社は・・・ですが・・・」という言い方をします。

英語圏の世界でも会社の社員が “My company’s policy is …”  “My company has a few great customers, and …” の様な表現をする人々が居ます。一方で、”The Company’s policy is …”  “My employer has a few great customers, and …”という表現をする人々もいます。後者の人達はビジネス寄りでしょう。そして、前者の人達には個人事業や自営業を営んでいる人達も含まれるでしょう。「”The Company”みたいによその会社みたいに言うのは何故?」と疑問をもたれる方もいるかもしれません。それでは最初の疑問に立ち返りましょう。

『会社は誰の物?』

ここからはビジネスまたはビジネス英語の世界の話です。

“My company is …”として話を始めるのは(上の図の”C”のカテゴリーの「仲間」を除き)、その会社の株主、つまり「会社の持ち主、所有者」です。会社の経営の全権を握る様な役員が “My company” と言う場合はまあ良いとして、結論は、会社の所有者は株主です。

普通ビジネスの場では一般従業員が “My company” とは言いません。

日系企業の組織内の様に「うちの会社」と呼び、家族の様にお互いのプライバシーに入り込み、上司と部下が親子の様な組織は他のほとんど国では ‘Company’ では無いのです。言い換えますと、会社を切り売りできる、つまり買収や合併、spin-off(部署や部門だけを売りに出すこと)ができるのは株主だけです。会社は資産だからです。実は法律上の会社の存在は日本でも資産です。『会社の所有者は株主』です。資本主義はその様になっています。

洋画や海外ドラマを思い出してください。取締役会でCEOや社長が簡単にその場で株主たちや株主の代表たる外部取締役らの挙手で解任を言い渡される様に(役員は従業員の様に労働法によって雇用を守られていません)、株主の権限は絶対です。

何処の英語圏の国の話しかは覚えていませんが、あるインターネット上の議論です。”My husband has a good car.” の様に、本人が夫を所有している訳では無いので、従業員が “My company” と言っても良いではないかと言う議論がありました。そう言われてみるとその様な気がします。しかし、英語ではその「場」が表現の違いを生むことが多いです。会議の場で、取引の場で、そして書かれたビジネス英語で “My company” を使っていると何処かで論理破綻をきたします。お互いに違う理解をしながら話が進むからです。例えば取引先との会議で、初対面の落ち着き聡明な”my company”を使う一従業員を取締役と勘違いさえされかねません。当然、その人の言葉は絶対的回答になり、そうすると・・・。

 

「我が社」「貴社」をビジネスの場で英語表現をするには

それでは実際に従業員が「我が社」「貴社」をビジネスの場で英語表現をするにはどうしたらよいでしょうか。いくつか方法があります。

社名を言うのが一番分かりやすいです。

“I work for GM for a long time, so I know its culture very much.”

次に、社名を使わない場合の例です。

(例)My employer/ the Company/ the company to which I belong (for which I work) –

the company to which I belong (for which I work) は、まどろっこしいですが、書き言葉では大丈夫です。

最初にこの様に表現し、2回目以降の記述は、the Companyにします。 また、会話や電子メールでは、You (your companyの代わりに)We (our companyの代わりに)を上手く使う方法もあります。

“Are you sure that you give us the discount?”

“Absolutely! That’s my best bet.”

この様に、you/weで問題ありません。

 

今回は以上です。

次回はまたビジネスと英語について呟きますのでよろしくお願いします。

 

 


ビジネスメールだけで3段階!
あらゆるシチュエーションに対応したメールスタイルを学ぶ!

K.Motoko先生のTHE FIVE STYLES

K.Motoko先生のTHE FIVE STYLES


友人から会社の上司など送る相手に合わせたメールスタイルが5種類、さらに丁寧度を6段階に分けて英文メールの書き方を学べます。 基本的な英文メールのルールを網羅しながらも、実際ネイティブがビジネスやプライベートでどのようなメールを書いているかという観点でEメールの書き方を指導します。

詳細はこちら

 

 

フルーツフルイングリッシュで英語表現の楽しさ感じてください 。初めての方には英作文添削チケット2回分をプレゼント。
「無料英語テスト800問(解説付)」メルマガも大人気。今すぐチェック!

英語テスト800問・英文添削2回が無料!

※このブログでは英語学習に役立つ情報アドバイスを提供していますが、本ブログで提供された情報及びアドバイスによって起きた問題に関しては一切、当方やライターに責任や義務は発生しません。
※ここでの情報や助言を参考に英文を書いたり下した判断は、すべて読者の責任において行ってください。ここに掲載されている記事内の主張等は、個人の見解であり当社の意見を代弁・代表するものではありません。

1 Star (13 イイネ!が押されています)
この記事が良いと思ったらイイネ!を押してください。
読み込み中...
 HOMEへ戻る 

コメントする

コメントは認証制です。執筆者に認証されるまでは表示されません。

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

2004-2006年に米国資産評価会社本社付け日本地域プロジェクトの翻訳専任担当で日英翻訳デビューしました。現在に至るまで翻訳に関わりながら、経営コンサルタント・事業管理など実務を経験しています。英国大学・大学院で、英語基礎コースを経て経営学修士と金融投資スペシャリズムの取得まで、エディンバラ市に3年在住していたことがあります。多国籍企業の役員からバイオ科学者、企業家、大学長、環境保護活動家など様々な外国籍友人がおります。