ビジネスの世界と英語ーその2. 「ビジネスと事業体」

ビジネスの世界と英語

こんにちは。講師のShinichiです。

前回は、「会社は誰のもの?」という題で会社の紹介や「弊社」や「貴社」の英語での言い方について語りました。

前回のShin先生のブログ記事、『ビジネスの世界と英語ーその1. 「会社は誰のもの?」』を見逃した方はこちらからどうぞ!

 

今回は、「ビジネスと事業体」と題して少し会社法的な部分も加えて学んでいきましょう。国によって会社法や制度が違うので基本的なことのみを語ります。

 

「ビジネスと事業体」

1. A sole proprietorship:

これは、個人事業、または自営業です。資産・資本・負債という会社のような区切りがなく、個人の財布と事業の支出・収入が一体となっているので、もし負債や何かの代金が払えなくなったら個人で借り入れをするなり、個人の資産を売却するなりして責任を取らねばなりません。一方、会社とは違い、複雑な会計の開示や数々の公的義務がありませんので、そのために人を雇ったり専門家に委託する必要もあまりないので自由で、お金も時間も本業に集中できます。

2. A Partnership:

二人以上の人達が一緒に事業をやっていこうとする場合がこれです。A sole proprietorshipと同様に会社の様な数々のペーパーワークもほとんど必要なく、本業に打ち込めるのが強みで、それぞれの事業パートナーの強みを活かしていくことが可能です。また事業パートナーの数が少ない程、決定のスピードが速いので事業効率が上がります。事業パートナーまたは投資家、あるいはその双方がお金のリスクをとります。

3. Corporations:

簡単に言いますと事業法人です。上記二つの事業形態と違い、法律や制度・規制に従わなければならないので本業以外で多くの時間と多額の出費が必要です。そのためには、研究・生産・備蓄・販売などの本業以外にも会計・法務・人事・総務・債権管理というa back officeと呼ばれる組織を運営する部門にも多くの従業員を雇い、その部門に関わる外部委託契約を結ぶなど多額の出費が必要になります。Corporationsには以下の三つの形態が代表的なものです。

(1) Unlimited Companies:

これは簡単に説明します。債権者は、会社の代表者や(発行していれば)株主に無限責任のお金の返済を迫ることができます。あまりプラス面が少ないせいか一握りの会社しか存在しません。裏話ですが、大きな会社が途上国などの海外子会社だけをan unlimited companyとして登記すると、公的な会計監査など必要ないのでそこに世界中の資産を注ぎ込んで、本国や業務展開している国々の税金から逃れるために使われることもあるようです。

(2) Private Limited Companies – A Private Company limited by Shares:

株主が限定されていて、証券市場に上場させていないタイプです。公的に投資を募集していないので、少数の創始者や投資家などが自由に経営や事業展開を進めることができます。会社の方針や会計情報などの公開も必要なく企業秘密は保持しやすいです。しかし、上場をしていないということは莫大な投資資金を得ることは困難です(石油立国の王族の投資家でもいない限り)。以上はあえて上場しないタイプの企業ですが、圧倒的に多いタイプは、一般中小企業です。さらには(3)の上場の前段階で成長の過程にある、厳しい上場基準を満たせない、成長が遅く上場の可能性が低いなどのタイプです。

(3) A Public Limited Company (PLC)/ A Publicly Traded Company (前者が英国で主に使われる呼び方で、後者が米国のそれ): 

会社の株式を上場させて、一般投資家から広く多額の投資を得ることができます。よって、事業を拡大させるにはこの形態が向いています。この形態では、株主が会社の持ち主です。投資と経営がはっきりと別れます。例え会社が倒産しても株主は投資した株の投資額だけを失って、それ以上の請求はこないので、ここで責任は完了します。一方、会社法に加えて公的な制度や規制も多く、色々な面で社会的に従わなければならないことは非常に多くなります。

図表:business_entity

※一般的にa public companyというと、3つの意味があります。 (a)政府や自治体が所有・経営する事業会社 (b)証券市場で会社の株式が取引される会社(大きな数の一般投資家達が広く取引をするため公式なシステムであるとして、publicという言葉が使われます)。(c)国家や州政府が立ち上げた非営利の公益団体。Public companiesと言うと英国では(a)(b)を指す傾向、米国では(b)を指す傾向があります。上記(3)のPLCは、英国では(b)の意味です。三つもあってそれぞれ在り方が違うので、ビジネスを知らない一般の人がa public companyと言い出すと、どれを指しているのか分からないこともあります。但し、ビジネスの場では、(b)を指すことが多いです。

 

いかがでしたか?

 

今回は、法的なことも含まれていて難しかったかもしれません。しかし、ビジネス英語を使う上で文法や表現だけではなく、ビジネス基本的知識が無いとコミュニュケーションが進みませんのであえて触れてみました。

 

 

 


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ABOUTこの記事をかいた人

2004-2006年に米国資産評価会社本社付け日本地域プロジェクトの翻訳専任担当で日英翻訳デビューしました。現在に至るまで翻訳に関わりながら、経営コンサルタント・事業管理など実務を経験しています。英国大学・大学院で、英語基礎コースを経て経営学修士と金融投資スペシャリズムの取得まで、エディンバラ市に3年在住していたことがあります。多国籍企業の役員からバイオ科学者、企業家、大学長、環境保護活動家など様々な外国籍友人がおります。