【ビジネス英会話】自信を伝え、信頼を得るための表現 – 取引と契約~その3

ビジネスブログの読者の皆さん、こんにちは。講師のShinichiです。

今回のブログは、「【ビジネス英会話】自信を伝え、信頼を得るための表現 – 取引と契約」の続編です。見逃した方は、まずこちらからどうぞ!その1→https://www.fruitfulenglish.com/blog/shin-14/
それと、その2→https://www.fruitfulenglish.com/blog/shin-15/

日本の江戸時代の終わり頃から明治時代にかけて、「不平等条約」で不利な取引をしてきたのは、法治国家としての骨組みができていないなかで近代的な法治国家の列強との交渉ができなかったとの通説があります。しかし、日本では「書かれた法令や取引文章」より、大物たる人が決めたことやその人の威光が物を言う中、書かれたもの、つまり文書は破れば終わりである日陰物の存在であって重要視してここなかったことが不平等条約の根幹ではないでしょうか。国家の条約など、国家の力や威信に比べれば、その時の力関係でどうにでもなると考えてきたのではないでしょうか。昔のこと?いえ、ところが現代でもその兆しがあるようです。

さて、今回「その3」では、契約書について逸話を一つ紹介します。

契約書についての実話エピソードをご紹介します!

聞きづての話ですが、少し脚色し描写します(氏名/団体は適当に名称を変えています)。

Powellというオーストラリア人の社長が東京で10年前に立ち上げたコンサルティング会社のSovereign社は最近安定期を迎えました。

ある日、Powellが事務長に聞きました。

Powell:“Could you show me the contract with VWX Company, Masako?” 「マサコ、VWX社の契約書を見せてくれないかね。」
事務長Masako(以下Masako ):“Where is … Maybe … I will bring it to you in ten minutes.”「どこにあるかな・・・、もしかしたら・・・。10分以内に持っていきます。」

Masako:“I’m sorry for that, Powell.  I couldn’t find it.  Probably, it might disappear.  I can’t even remember whether I received it from the consultant.”「すみません、パウエル。見つかりませんでした。無くなったかもしれません。コンサルタントから受け取ったかどうかも思い出せません。」
Powell:“What are you talking about?  That’s the most important aspect of the relationship with VWX, isn’t it?” 「何を言っているのだ。それはVWXとの関係で一番重要な事項のはずだよな。」
Masako:“I’m sorry, Powell.  I will check if the other contracts exist or not.”「すみません。パウエル。他の契約書もあるかどうか調べます。」
Powell:“The other contracts ,,, Do it!  From this time, bring all the existing contacts and new ones directly to me.  I’ll keep and manage them by myself.  No exception!” 「他の契約書だと・・・。調べろ。今から、すべての契約書と新規のものも全部私に直接持ってくるように。自分で保存、管理する。例外は無しだ。」

以上が顛末です。

Powellは烈火の如く怒り狂っていたそうです。

契約書こそが取引の王様のような立場にあるからです。これなくして、分からずに契約書に反した行為をすると(取引先が日系企業ではないとすれば)、多かれ少なかれ何らの形で罰されます。現場でうまく立ち回って丸く収めるなどはあり得ません。PDFのような電子ファイルをとっていたとしても、訴訟などの公的な時には証拠書類として認められないかもしれません。

 

取引関係の視点の違い、分かりましたか?

ここに、日本型の人間関係と現場重視の取引関係と欧米およびほとんどの資本主義国で重視される契約書最重視の取引関係の圧倒的な違いが見えます。先の先まで読んで、例外の発生を想像尽くして書き込んだ分厚い契約書は、契約のあり方に終わらず、細部から細部へと続き、それに反することは許さないことになります。それに違反した役員は厳しい罰則を受けることになりますし、違反した方の取引先は契約書を楯に取られ追い込まれていくことになります。

以上で、取引と契約については完結といたします。次回から新しい展開も楽しみにしていてください。

 

講師/ビジネス英語ブロガー:Shinichi

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ABOUTこの記事をかいた人

2004-2006年に米国資産評価会社本社付け日本地域プロジェクトの翻訳専任担当で日英翻訳デビューしました。現在に至るまで翻訳に関わりながら、経営コンサルタント・事業管理など実務を経験しています。英国大学・大学院で、英語基礎コースを経て経営学修士と金融投資スペシャリズムの取得まで、エディンバラ市に3年在住していたことがあります。多国籍企業の役員からバイオ科学者、企業家、大学長、環境保護活動家など様々な外国籍友人がおります。