日本人の英語、ネイティブにはどう聞こえてる?エピソード1

日本人英語がネイティブにどう映るか、昨日1つ目のエピソードを
英文でお届けしましたが楽しんでいただけましたか?

今日はそのエピソードの日本語化したものをお届けします。
楽しんでくださいね!執筆者はBrian先生です。
(※分かり易いように日本語で解説を補いながら訳しています。)

+++++++++++++++++++ここから

日本で英語を教え始めてから早10 年ほど経ちます。
教師として私が非常に難しいと感じている問題の一つに
「冠詞の間違い」があります。もう少し具体的に言うと、
「日本人の学習者の皆さんが冠詞のミスをすると、
英語を母国語として話すネイティブスピーカーにとってどんな影響があるのか」ということを
理解していただく為にいかにうまく説明するか常に頭を悩ませています。

通常私たち英語教師は、学習者の皆さんにとって英語は母国語でない
事を承知していますので、仮に冠詞の間違いが会話中にあったとしても、
会話を聞きながら「ここではa が抜けてるな。」とか「きっとthe のつもり
だろう…」といった具合に「頭で」自動的に間違いを修正しています。

小さな冠詞の間違いがあったとしても、会話を成立させ、
情報を伝える上では差し支えないこともあります。

しかし、この自動的に「頭で」行う修正作業が一筋縄ではいかない場合も
もちろん存在します。このような状況では「どういう意味だろう…」と
ほとほと途方に暮れることになります。状況によっては冠詞の間違えが
原因で大きな誤解を生んでしまうこともあります。

冠詞の間違った使用法が原因で、話者が意図する意味とは全く異なる
イメージを作り上げてしまい、そのイメージのおかしさに思わず
笑いがこらえられず吹き出してしまう事すらあります。

この本([※冠詞ナビブック])のBrian’s Column では私の日本での
生活で経験したエピソードをもとに、冠詞の間違いによって私がどんな影響を受けたのか少しずつ
ご紹介したいと思います。

このセクションではa, an に焦点を当てたゴールデンルールが説明されていますので、
それに合わせて私もまずはa, an にまつわるエピソードをお話したいと思います。
a, an という不定冠詞と聞くと忘れられないエピソードがあります。

それはシェービングクリームの説明書です。私は普段頭をスキンヘッドにするのが
好きで3 日に1 回は頭をそるのですが、日本に来日してすぐの頃、お風呂で頭を
そろうとシェービングクリームの缶に手を伸ばしました。クリームを出そう
としてふと缶に視線を落とすと、缶に何やら日本語で説明書きが記されています。

「ご使用前に缶をよくお振りください。」

残念ながらその当時の私は日本語が読めませんでした。
しかし親切にもその日本語の下には英語の翻訳文がありました。

読んでみると、「Shake a can well」と記載されていました…

この翻訳文を読んで私は思わず吹き出してしまいました。
この文を読んで突然「缶」を振りたい衝動に駆られてしまったのです!

今手にしているシェービングクリームの缶ではありません。缶づめの
缶や、クッキーの缶や、ツナの缶や…なんでもいいので「缶」を
振りたい気分になったのです。

なんでもいいから缶を振りたい衝動に・・・

なぜか?

それはこの翻訳文がゴールデンルールにのっとっていなかったからです。
既に説明があった通り、初めて名詞を読み手に紹介する時、
名詞が特定されていない事を明らかにするために「a, an」をつけます。

シェービングクリームの缶に書いてあった翻訳文をもう一度見てみましょう。

「Shake a can well.」

この説明書を読んでいる時点で読み手はシェービングクリームを手にしているはずです。
つまり、どの缶の話をしているのか読み手にとって特定されているはずなのです。
しかし、「a」をつけている事でこの推測は崩れ落ちます。

「a がついてるってことは…この缶を振るのではなく、どれでもいいから
缶を一つよく振れ!」ってことか…と思ってしまうのです。

 日本語の説明文「ご使用前に缶をよくお振りください。」の翻訳文として
おそらく適切なのは「ShakeCan Well.」です。上記のとおり、読み手はこの説明
文を読んでいる時点でシェービングクリームを手にしているはずですので、
どの缶の話をしているのか明らかです。ですから「Shake the Can Well.」と
記載されていてもおかしくはないのですが、このようなスペースが限定されている
説明書きなどでは冠詞を省略する傾向にあります( 詳しくはゴールデン
ルール③のコラムをご覧ください)。

こういう背景があるにもかかわらずあえて「Shake a CanWell.」と
記載されているということは…「つまり…この缶を振るのではなく、
どれでもいいから缶を一つよく振れ!」というメッセージを与えてしまうわけです。

++++++++++++++ここまで

明日はエピソード2をお届けします!お楽しみに!

このコラムは「冠詞ナビブック」に掲載されているコラムを一部編集して
お届けいたしました。

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