【役に立つビジネス英語学習】ビジネス英語表現 (3) – 用語の使い分けをしよう!

こんにちは。

今回は、雇用に関わる日本語と英語の違いを社会的背景などに絡めてお伝え致します。

※シリーズ前回の記事「【役に立つビジネス英語学習】ビジネス英語表現 (2) – 用語の使い分けをしよう!ー The Labyrinth of Language」を見逃した方はこちらからどうぞ!

 

1. 日本の会社に色々な従業員の言い方がある理由

日本では、会社の従業員の呼び方はとても多いです。

正社員/契約社員/アルバイト/パートタイマー/嘱託社員/シニア社員/派遣社員(登録型/常用型/紹介予定)/委託・請負社員など。

これには根本的な理由があります。

日本の会社の非雇用者は、労働基準法で雇用の安定性が固く守られています。他の先進国より、遥かに雇用が安定されています。特に大企業と中堅企業にはそうです。雇用が最も自由に動くのがアメリカ合衆国で、EUの雇用は比較的固く守られていますが、日本の比ではありません。イギリスがアメリカ合衆国とEUの真ん中あたりでしょう[*注釈1]。発展途上国では雇用の安定などはあまり考えられないので、世界の中では日本は飛び抜けて雇用の安定が高く、雇用の流動性も低くなっています。

社会には、もちろん景気の変動があります。景気が良い時には人員を増やし、悪い時には人員を減らします。会社に利益をもたらす社員には大きな報酬を、ほとんど利益をもたらさず時には不利益をもたらす社員は解雇されます。

ところが、日本のような雇用の安定が固く守られている企業では、景気が悪くなった時に人員を減らすには大きな痛手となります。余剰人員でもほぼ同じ給与を払わねばならないからです。景気が良くなっても思い切って、多くの人員を雇用できません。そのため、外部委託の派遣社員や請負社員を任期終了という形で減らし、景気の良い時には雇用リスクの最小化のため思い切って増やすことができます。

準じて、有期契約社員、アルバイト、パートタイマー、シニア社員は、正社員に比べて雇用を終了させるハードルが低いので、会社にとって都合が良いです。これらは、基礎給与自体や福利厚生費用を下げて会社の費用リスクを減らすことになります。

結局、日本では、会社の都合で色々な従業員のあり方ができてきました。

2. 色々な会社の従業員を英語で何と言う?

項目1の状況が違っている米国や英国を含む英語圏では、基本的には以下のようになります。

  1. A full-time employee
  2. A part-time employee

「えっ、それだけ?」
ほぼそうです。

A full-time employeeの範囲の従業員

・正社員:期間が決まった雇用ではなく、短時間の労働者でもない雇用者は、全てfull-time employeesです。英訳で、a regular employeeという言葉が使われますが、英語としては特に従業員間の区別なく普通の従業員という軽い意味でしか通じないでしょう。

・契約社員:英語圏では、社員の種類などはあまり気にされていません。英訳をする時などには、契約社員の英語は、a contract employeeという言葉使うことが多いです。しかしこれは和製英語ですから、注釈でもつけて日本独自の雇用形態を説明する必要があります。A contract employeeでは、会社の従業員ではない、外部委託/下請けの労働者、contract workers/independent contractorsと読み取れられる可能性もあります。そもそも契約書無くして雇用はあり得ませんのである意味この言い方は、不思議な話です。

・アルバイト:Arbeitというドイツ語を使ったものです。full-timeであっても、コストダウンの目的で、新しい福利厚生費用の掛からない雇用形態を作った経緯でしょう。英語圏で福利厚生などは個別に契約書で謳えば良いのです。

・嘱託社員/シニア社員:英語では存在しましせん。英語圏では、従業員の評価はその人の実力と業績です。心身の健康はその人それぞれですので、評価は実績です。そもそも、米国・英国・ドイツなどでは、定年を契約書で謳うことからして違法です。フランスなど欧州ではその条項が契約書にあれば定年が認められます(日本の様に就業規則ではありません)。本来、企業は利益に貢献する従業員が欲しいのです。私の知り合いの米国人が定年になると聞いた日本人女性プログラマーからの言葉に”Why? Everyone can continue to work without an age limit only depending on their skills in foreign countries.”「何で。外国では、実力さえあれば歳に関係なくいつまでも働けるよ。」と言っていました。”また、仕事でseniorは、学校(米国英語で大学4年生)や社会一般の意味(高齢者)とは違い、地位が高いことを意味します(実力者会ですから能力も伴います)。a senior director「上席役員」a senior manager「上席管理者」で、a senior-level employeeは、「上位管理職者/決定権者」の様な意味となります。

  2. A part-time employee

・短時間労働の契約を交わした正社員/契約社員/アルバイト/パートタイマー/嘱託社員/シニア社員/派遣社員の全てがpart-time employeesです。

   3. 派遣社員/委託・請負社員:

・これらは、そもそも従業員ではありません。外部の組織または個人から事業やプロジェクトを請け負う者です

下請けとか外部委託者が「駐在」しているので、従業員の様なので日本では社員と呼びますが、日本でも契約上は社員とはなっておりません。英語では、temporary workerssubcontractorsがそれです。employeeという言葉で組み合わせはしません。

 

上記に加えて、過渡的な状態では、インターン、試用社員がいます。それぞれ簡単に解説をしていきます。

・An intern: 熟練が必要な仕事を実際に行う研修期間にある者。特に、学生や学業を終えたばかりの人などが無給で仕事の経験を積むために働く期間にある者。

・An employee on probation: 試用社員です。主に3ヶ月、準じて6ヶ月などの試用期間に限って使われるa full-time employeeの呼び方。

今回は以上です。次回もよろしくお願い致します。

 

講師 Shinichi

[*注釈1] 雇用の動きが大きいと雇用者の市場価値ができてきて、職種の市場価値が決まってくるので、自然に景気が良くなると雇用者の給与も上がってきますが、日本のように極めて転職が少ないと雇用者や職種の市場価格が生まれず、政府や組合の音頭が企業側に受け入れられないとおいそれには、雇用者の給与上がらなくなります。これが最近のインフレーションと給与が一緒に上がらない日本の社会背景です。

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ABOUTこの記事をかいた人

2004-2006年に米国資産評価会社本社付け日本地域プロジェクトの翻訳専任担当で日英翻訳デビューしました。現在に至るまで翻訳に関わりながら、経営コンサルタント・事業管理など実務を経験しています。英国大学・大学院で、英語基礎コースを経て経営学修士と金融投資スペシャリズムの取得まで、エディンバラ市に3年在住していたことがあります。多国籍企業の役員からバイオ科学者、企業家、大学長、環境保護活動家など様々な外国籍友人がおります。