【英語学習のコツ】効果的なReading、ポイントは読む前に何をするか

英語学習のコーチ、メンター、パートナーのススメ

はじめに

今回は、効果的なreadingにつながるpre-reading(読む前の準備)についてのお話です。

長い英文や難しい語彙が入っている英文は、読むのをためらいますよね。

それでも英語上級者を目指すなら、英字新聞や学術論文レベルのものを読んでいく必要があります。

そんな難しい英文を、少しでも皆様がスムーズに読めるように、この記事が役に立てば幸いです。

 

 

ざっと見る Scanning

Scanningの手順は以下の通りです。

  1. (タイトルがある場合)タイトルに関して自分の既知(すでに知っている事)が脳内にあるかをスキャンする
  2. 本文を斜め、縦に目を動かしながら、
    1)よく使われている単語、
    2)固有名詞(人物名・地名)
    3)数字(金額・年号)
    などを拾います。

 

では、さっそく練習してみましょう。
練習英文は英検準1級の過去問から引用しています。(2021年度第3回)
矢印は、目を動かす方向のイメージです。
目安時間は1分です。

Caligula

※矢印ナシのテキストはこちら

Caligula

The Roman emperor Caligula, also known as the “mad emperor,” became so infamous that it is difficult to separate fact from legend regarding his life. During his reign, Caligula suffered what has been described as a “brain fever.” It has often been said that this illness caused him to go insane, a claim that is supported by his seemingly irrational behavior following his illness. Today, however, some historians argue that his actions may have been a deliberate part of a clever, and horribly violent, political strategy.
After his illness, Caligula began torturing and putting to death huge numbers of citizens for even minor offenses. He also claimed to be a living god. These actions may suggest mental instability, but another explanation is that they were intended to secure his position. While Caligula was ill, plans were made to replace him, since he had not been expected to survive, and he likely felt betrayed and threatened as a result. Similarly, while claiming to be a god certainly sounds like a symptom of insanity, many Roman emperors were considered to become gods upon dying, and Caligula may have made the claim to discourage his enemies from assassinating him.
The story of how Caligula supposedly tried to appoint his horse Incitatus to a powerful government position is also sometimes given as evidence of his mental illness. However, Caligula is said to have frequently humiliated members of the Roman Senate, making them do things such as wearing uncomfortable clothing and running in front of his chariot. Elevating his horse to a position higher than theirs would have been another way to make the Senate members feel worthless. Eventually, though, Caligula’s behavior went too far, and he was murdered. Efforts were made to erase him from history, leaving few reliable sources for modern historians to study. As a result, it may never be known whether he truly was the mad emperor.

いかがでしょうか。

  1. Caligulaをタイトルだけで推測できる人はかなりの教養人と思われます。
  2. 頻繁に使われている語彙(Caligula、Emperor、infamousなどの否定的な表現)が拾えて入ればOKです。
  3. あまり評判のよくない高官であったということが分かればScanningは成功です。

 

 

大事な所だけ読む Skimming

Scanningで英文の雰囲気をつかみます。

次はSkimmingです。

Skimmingでは、Topic Sentence(主題文)を探し読みします。

やり方は以下の通りです。

  1. 1段落目の最初から読み始め、Topic Sentence と思われるものが出てきたら、第2段落へ飛ぶ。
  2. 2段落目の最初から読み始め・・・以下同様。

Topic sentence とは、各段落の最初の方に書かれていることが多く、その段落の「主張」になります。(段落の最後にきたり、2文以上にまたがる場合もあります。)

各段落の主張だけを読むことで、英文全体の主張が見えてきます。

それでは、先ほどの英文に戻ってSkimmingにチャレンジしてみてください。

目安時間は3分です。

 

いかがでしたでしょうか。

私の見解ですが、第一段落は1行目(The Roman emperor Caligula, also known as the “mad emperor,” became so infamous that it is difficult to separate fact from legend regarding his life.)と、最後の行(Today, however, some historians argue that his actions may have been a deliberate part of a clever, and horribly violent, political strategy.)の2文が重要だと思います。

Caligulaは悪名高い皇帝であったが、そういった振る舞いは意図的であった。

第二段落は最初の3行(After his illness, Caligula began torturing and putting to death huge numbers of citizens for even minor offenses. He also claimed to be a living god. These actions may suggest mental instability, but another explanation is that they were intended to secure his position.)までを読むと主題がわかります。

第三段落目は最後の文(As a result, it may never be known whether he truly was the mad emperor.)だと私は考えています。

それぞれの段落の主題をつなげると、「悪名高い皇帝Caligulaの奇妙な行動は、意図的だったとも考えられているが、真実はわからないままだろう」となります。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本文をしっかり精読しなくても、概要はつかめたでしょうか。

ScanningSkimmingは、とても有効なpre-reading活動です。

人によっては、Scanningを「森を見る行為」と例えます。

「Scanningは森の木々全体を見るのと同じ。どんな種類の木がどれくらい生えているのか、花が咲いている木はあるのか、森の中を歩くためのルートはしっかりあるのか、入り口はどこか、出口はどこか。」

つまり、いきなり一本一本の木(英語の一文)や枝葉(細かな単語や文法)を見るのではなく、あくまで全体を俯瞰してみて森の種類(登場人物や場面、時代)を把握するということです。

一方のSkimmingは、「木全体を見る行為」と言えます。

「Skimmingは一本の木を見るのと同じ。木の最も重要な幹はどんな太さか、大枝はどれくらい太いのか、木全体は元気か弱っているのか。」

つまり、幹となる重要な箇所(トピックセンテンス)を読み、さらに大枝(重要な主題の理由など)をみることで、全体の木の状態(筆者の主張)を把握する行為と言えます。

ScanningSkimmingをフル活用して、皆様が効果的なReadingを楽しめることを祈念しております。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

地方の公立小~高校で普通に学び、必死の受験勉強の結果、英語が苦手な大学生になる。自分のように英語が苦手な生徒を助けたいという一心で、英語講師を目指す。1年間、英語の臨時講師をしながら資金を貯め、渡米。米国大学院にてTESL(英語教授法)を取得。2年間の留学を経て、地元で英語講師として18年間、中高大学生を中心に英語を指導中。英検1級、TOEIC最高点980 海外留学サポート、英語ディベート、英検・TOEICなどの資格取得のための指導も行っている。