
あらすじ
ある芸術家が、とても美しい絵を描いて、その絵を更に美しく見えるようにと、鏡に写って見えるところに置きました。
この話を飼い猫から伝え聞いた森の動物たちは、その「絵」とやらにとても興味を覚え、猫にあれこれ質問をするのですが、「絵は平べったいものですよ」とか、「鏡は壁の穴で、そこに、世にも美しいあの絵があるんです」などという答えが返ってきます。
やがて「そんな美しいものなんてありえない。ねこが嘘を言っているんだ」と言い出すものが現れ、それなら自分の目で確かめに行こうじゃないかということになり、動物たちは一匹ずつ順に鏡を覗きに行くのですが・・・
この本の楽しみ方・魅力
日本語は、話す人の個性が表れやすい言語です。この作品では、それぞれの動物たちの個性が表れるように言葉遣いを選んで翻訳しています。
また、英語の音の繰り返しや、たたみかけるように列挙される言葉などを、耳で聞いて心地よく響くように日本語にすることに努めました。
ぜひ日本語の文を音読してみてください。子どもたちへの読み聞かせにも使っていただけると嬉しいです。
ブックレビュー
この作品は、原書タイトルの “A Fable(寓話)” が表すように、私たちへのメッセージが動物たちのユーモラスなやり取りを通して語られています。
私たちが芸術作品を観照するとき、どのような態度でその作品と向き合えばよいのか、小説家であるマーク・トウェインが、この物語を通して示唆してくれているようです。
著者紹介
Mark Twain
マーク・トウェイン
19世紀中盤から20世紀はじめにかけて活躍したアメリカの作家。
『トム・ソーヤーの冒険』、『ハックルベリー・フィンの冒険』、『王子と乞食』など、フィクション、歴史小説、児童文学、ノンフィクション、紀行文学、エッセイなど多方面における作品を多数発表し、世界中で講演活動も行うほど人気のある著名人であった。
ユーモアと社会風刺に富んだ作品で知られるが、この “A Fable”にも社会風刺のメッセージが込められており、童話とはいえ大人が読んでも楽しめる作品。
翻訳者について
杉元 あけみ
Sugimoto Akemi
1969年、宮崎県生まれ。大学で英米文学を専攻。卒業語は、約30年間、英語教師として、視角に障がいのある生徒たちの教育に携わる。

書籍情報
- タイトル
- A Fable (対訳本電子版)
- 著者
- Mark Twain
- 訳者
- 杉元 あけみ
- ジャンル
- 童話
- 出版年月日
- 2025 / 04 / 30
- ページ数
- 18ページ
- ISBN
- 取得中のため、後日アップデートします。
- 価格
- 定価990円<税込>