information
お役立ち情報

口語表現やスラングに詳しい辞書サイト

by Misa

みなさん こんにちは!
英日翻訳講師のMisaです。

2021年のゴールデンウィークに「歌詞翻訳セミナー」が開催され、わたしは企画と進行に携わりました。
このセミナーのキャッチフレーズは、「英語の歌詞をテキストにして、その独特な世界観を日本語で構築していこう!」。
わたしが選んだ課題曲はまさに独特な、いえ、ヘンテコな$「界観の歌詞(笑)。この歌詞には口語表現やスラングが多く、セミナーの準備段階でそれらをリストアップしていたのですが、1つだけなかなか意味がつかめない語があったんです。
今回は、この語の意味をリサーチしたプロセスをお話ししながら、口語表現やスラングを調べるのに役立つ辞書サイトをご紹介しましょう。

 

リサーチのプロセス

意味がわからない語 → homes

(歌詞 → Oh, I told you once I wanna be your lover
And now I've told you twice, homes, I wanna be your lover)

@意味を推測する
前後の文脈や、この語の前後にコンマが付いていることから考えると、「呼びかけ」と推測。おそらく名詞だろうが、hが小文字なので固有名詞ではなさそう。

A英和辞典でhomes、およびhomeを調べる
英辞郎、ランダムハウス英語辞典(いずれもCD-ROM版)で調べても、これだ!と思われる語義は見あたらず。でも、ランダムハウス英語辞典ではhomeの語義の1つに、「(米俗)=homeboy」とあり、homeboyを調べると、「親友、仲間、まぶだち」の意味。おそらく、この系統だろうと推測。

B英英辞典でhomes、およびhomeを調べる
Longman Dictionary、Oxford Learners Dictionaries、Merriam-Webster(いずれもオンライン版)で調べても、これだ!と思われる語義は見あたらず。

CUrban Dictionary(オンラインサイト)でhomes、およびhomeを調べる
「口語表現やスラングにめっぽう詳しいこの辞書なら!」と期待を持って調べてみると……はい! やっぱりありました! さすが! しかも、homesで載っています! 該当すると思われる語義(2つ)を以下に記します。

*5.homes
a term used to describe a friend or person you know.
What’s up, homes? (←例文)

*8.homes
Short for "homeboy", someone who is in your neighborhood
Hey, homes, let’s chill! (←例文)

D該当すると思われる語義を、原文に当てはめてみて、しっくりくるか確認する
5.も8.もhomesという形で使われており、いずれも日本語にすると「仲間、親友、友だち」の意味で、また、いずれの例文でも「呼びかけ」で使われている。これらの語義だと考えて原文に当てはめてみると、意味の上でも、「呼びかけ」で使われていることからも、妥当だと思われる。

と、このようなプロセスで、この語の意味をリサーチし、妥当だと思われる語義をとらえました。

口語表現やスラングに詳しい辞書サイト

随時アップデート!おすすめの辞書サイト

単語や熟語の意味がわからないときは、みなさんもまず英和辞典を引き、それでも意味やニュアンスがつかめないときは英英辞典で調べると思います。それでもわからない場合や確信が持てない場合は、ぜひこのUrban Dictionaryで調べてみてください。ありがたいことに無料オンラインサイトですし、口語表現やスラングにとっても詳しくて、新しい表現や語義が随時アップデートされています。語義の下に関連画像や広告がときどき付いているのですが、これらがコミカルで、かなりアヤしい感じのものもあって楽しいですよ!

Urban Dictionaryはこちらです → https://www.urbandictionary.com/

それから、今回のこのプロセスでも感じたのですが、「さすがランダムハウス!!」です。
英辞郎やオンライン版の英英辞典にも載っていなかった語義(「(米俗)=homeboy」)が、きっちり掲載されています。ランダムハウスの収録内容は「素晴らしい!」のひと言! 収録語数が最多で、語義がわかりやすく、例文が豊富です。
わたしが愛用しているのはランダムハウス英語辞典(CD-ROM版)で、現在は絶版になっているようですが、ランダムハウス英和大辞典(大型本)はAmazonなどで入手できるようです。
ただ、この大型本は分厚くてとても重いので、一歩まちがえば凶器≠ノ〜(笑)。
でも、翻訳に携わる人にとっては、英辞郎とならんで「七つ道具」だと思います。 

無料 メルマガ登録で
毎日翻訳情報を手に入れよう!

翻訳情報のお届けや英語の練習問題でプチ学習もできちゃう

個人情報の利用について、「メールマガジン利用規約」を必ずご確認ください。

プロの翻訳家 Mihoko先生も絶賛!英日翻訳家デビュー講座「翻訳ワークブック」
想像してみてください。あなたが好きな場所でイキイキと仕事をする姿を…人生が『ちょっぴり楽しくなる』翻訳家の入門書!【翻訳ワークブック】

実際の翻訳の現場において、
プロの翻訳家たちがどうのように訳しているのか
「あなたの知りたい」が盛りだくさんの一冊!
翻訳家を目指す第一歩がここに。

翻訳ワークブックの詳細はこちら